大嘗祭とは?読み方・内容と費用・場所・日程 も!随時追記亀卜とは?

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出典:https://www.izumo-enmusubi.com/

今上陛下のご譲位の日が2019年4月30日、皇太子殿下が天皇に即位されるのが5月1日と決まりました。新天皇が即位される年の新嘗祭を大嘗祭(だいじょうさい)と呼び 、秋篠宮殿下のご発言などで話題になっています。大嘗祭ってどんなものか、本当に宗教儀礼なのか、民俗学の立場からわかりやすく説明します。

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大嘗祭 天皇陛下のルーツ

今上天皇は、奈良時代に朝廷のルーツをまとめた『古事記』『日本書紀』中で、降臨された天照大御神の孫の邇邇芸命、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の曽孫(そうそん:ひまご)、神倭伊波礼毘古命、神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと)が大和橿原(やまとかしわら)で即位して初代の神武天皇となられてから、125代めにあたります。

字が2種類あるのは、『古事記』と『日本書紀』で表記が異なるからです。

もちろん神話の上での由来ですが、史実の上でも一度も断絶することなく、一つの家系で継承されている、世界最古の王室が、日本の皇室です。

神話にルーツをたどれる王朝を持つのは、世界の王室の中でも日本だけです。

では、「神話」とはなんでしょう。

自然や社会で起きたことを、超自然的存在、すなわち神や英雄などと関連させて説明したのが「神話」です。

実体は明らかでなくても、長い間人々によって絶対のものと信じこまれ、称賛や畏怖を感じらせてきた物語のことです。

天皇陛下のルーツは、こうした神話に裏付けられています。

そして、天変地異、政変、戦乱をくぐり抜けて、今や象徴として国の代表を勤めてくださっているのが今上天皇なのです。

ちなみに、「今上」とお呼びするのは、今の陛下には「大正天皇」「昭和天皇」のような諡号(おくりな:亡くなってからお呼びする名前。古来、人の名前をそのまま呼ぶのは、その魂を手に入れることになると考えられてきたからです。『西遊記』の金角銀角の話などが代表的で、世界中で信じられてきました。)がないからです。

譲位されてからは上皇陛下とお呼びし、お名前が付くのはお隠れになってからです。

大嘗祭の意義

なぜ新天皇即位の際に大嘗祭が行われるのでしょうか。

基本的な考え方は、折口信夫著『大嘗祭の本義』に詳しく説明されています。

大嘗祭とは、天皇の即位後に初めておこなわれる「新嘗祭」のことです。

「おおにえのまつり」ともいいます。

単に三種の神器(八咫鏡:やたのかがみ、草薙剣:くさなぎのつるぎ、八尺瓊勾玉:やさかにのまがたま)の継承だけでは真の天皇とは認められず、大嘗祭を経て初めて真の天皇となるのです。

「大嘗」とは、もともと神に奉る食料や衣料のことで、初穂(その年新しくできた穀物)を差し上げ、天照大神や天神地祗(てんしんちぎ:神々の総称)を祭るとともに、ご自分も召し上がり、天皇として再生するとともに国民の代表として豊穣に感謝し、これからの豊穣を祈る最大級の神事です。

ちなみに、「新嘗祭(にいなめさい)」は毎年行われています。

『日本書紀』では飛鳥時代、642年に始まったとされています。

新嘗祭は、11月23日、勤労感謝の日に行われます。

もともと農業国出会った日本での、いわゆる収穫祭にあたるため、GHQの指示によって国民の祝日「勤労感謝の日」が後付けされたわけです。

宮内庁は平成31年11月14日~15日に行う方針を発表しています。

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大嘗祭って何をするの?

大嘗祭に献上する初穂をどこのお米にするかは、亀卜(きぼく)という占いによって決められます。

悠紀(ゆき)の国(東日本から選ばれる)と主基(すき)の国(西日本から選ばれる)の新米が使われます。

大正天皇の時は、悠紀が三河(愛知県)、主基が讃岐(香川県)。

昭和天皇の時は、悠紀が近江(滋賀県)、主基が筑前(福岡県)。

今上天皇の時は、悠紀が羽後(秋田県)、主基が豊後(大分県)でした。

新嘗祭が宮中三殿の神嘉殿(しんかでん)で行われるのに対し、大嘗祭は仮説の神殿で行われます。

祭儀の7日前に着工し、5日間で完成、祭儀後すぐに撤去されることになっています。

毎回作られる場所が異なり、今上天皇の時は皇居の東御苑に造られました。

大嘗祭にあたっては、半年以上前から当日にかけて、多くの儀礼が執り行われます。

けれども、具体的な内容がまったく明かされていない儀式があります。

大嘗祭本祭の夜、新天皇が大嘗宮の悠紀殿および主基殿に籠ってなさる儀式です。

一般参列者はもちろん、報道関係も完全にシャットアウトされ、天皇は11月22日夕方から翌23日未明まで、ふたつの殿に合計8時間にわたってお籠もりになります。

このとき、新天皇は供えた新稲を天照大神(あまてらすおおみかみ)と一緒にいただく「共食」の儀を行うということです。

共食の儀は、悠紀殿と主基殿で二度繰り返されること以外は新嘗祭と同じです。

悠紀殿と主基殿の内部には、天皇と神様の席がしつらえられていて、向かい合って座られ「共食」をするそうです。

けれども、天皇と神様の席は部屋の片隅にあります。

内陣の中心・大部分を占めるのは八重畳(やえだたみ)の寝座(ベッド)です。

ここで〈秘儀〉が行われているという説から、誤解が生まれています。

寝座を使った秘儀については民俗学の分野で研究されてきました。

先に挙げた『大嘗祭の本義』で、折口信夫先生は寝座を、天孫降臨神話で瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)がくるまって地上に降り立ったとされている「真床覆衾(まどこおふすま:ふすまとはふとんのことです。)」に見立て、天皇が布団にくるまる儀式であると考えました。

天皇のお体は、「天皇霊」という魂の入れ物だと考えたのです。

天皇はその魂を受け入れることで完全な天皇として「復活」します。

つまり、一度生まれ変わるということなのです。

その後、折口先生の考え方に基づき諸説が生まれました。

その一つに、大嘗祭の夜、天皇による性行為が行われるという説までありました。

大嘗祭では、天皇は悠紀殿・主基殿に籠る前に、廻立殿(かいりゅうでん)という所で「大忌の御湯(おおみのおんゆ)」「小忌の御湯(おみのおんゆ)」と呼ばれる二度の禊ぎ(みそぎ:汚れをはらうこと)を行うそうです。

かつて御所には「内掌典(しょうてんしょく)」と呼ばれる巫女がいて、「大忌の御湯」「小忌の御湯」に立ち会うとされてきました。

これらは、再生と豊穣を祈る模擬儀礼、感染儀式と呼ばれるものです。

民俗学をひもとくと、こうした例がたくさん出てきます。

たとえば、2018年正解遺産に登録された「異形の神々」の中には、男性を象徴する棒を持ち、それを女性にすりつけることで子宝に恵まれるというものがあります。

古いお祭りでは、筑波山の歌垣のように性的なお祭りがたくさんありました。

これは、人間が生産行為を行うことで、穀物や作物も豊かに実ると信じられていたからです。

また、各地の神社で行われる「茅の輪くぐり」が、まさにその再生の儀式です。

茅の輪をくぐることで、人は死と再生を経験し、新たな力を得るのです。

真床覆衾は、まさにその死と再生の儀式です。

大嘗祭の儀式が日本の古いしきたりに基づく以上、仮にそういった意味合いがあってもおかしくありません。

天皇が神格化された時代には、大げさに神と寝所を共にする、と言う表現がされたこともありました。

民主主義政権下で初めて行われた平成の大嘗祭では、海外メディアが秘儀をめぐる報道を繰り広げたことを政府が憂慮しました。

宮内庁が事前に会見で「大嘗祭に特別な秘儀はない」と説明しました。

「秘儀」とされるのは、天皇誕生の儀式は特別なもので、騒がしくしてはいけない場であるからではないでしょうか。

大嘗祭の費用

政府の方針では、2019年の大嘗祭の関係費は前回1990(平成2)年の22億4900万円から27億1900万円へと増大しているといいます。

新造される大嘗宮関連だけで19億700万円かかるそうです。

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大嘗祭は宗教儀礼?

一部報道では、大嘗祭は宗教儀礼であるから国費でまかなうべきではないと秋篠宮さまが述べられたかのような表現がありました。

では、大嘗祭は宗教儀礼なのでしょうか。

大嘗祭は「宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)」です。

宮中祭祀とは、天皇が国家と国民の安寧(穏やかで平和なこと)を祈ることを目的に行う祭祀(感謝や祈りのために神仏や祖先をまつること)です。

最初にも書いたとおり、日本は神話時代からの天皇家が形を変えながら続いてきた世界でも珍しい国です。

日本の神道は、政治の圧力によって利用され続けてきました。

世界三大宗教のように、勢力を争い紛争にまで発展するような宗教とは全く異質です。

例えば、ギリシャ神話や北欧神話で紛争が起こりましたか?

もちろん最初は朝廷を正当化するために、さまざまな言い伝えを強引にまとめたところがあります。

でも、「日本神話」といわれて、読者のみなさんはいくつの神話を思い出すことができますか?

幾柱(日本の神様は、柱と数えます)の神様をご存じですか?

天孫降臨、つまり神様が地上に降りて天皇になったという素朴な神話を曲解してきたのは、古来政治の責任です。

その結果、神話を語ることがタブーにさえなり、現在に至っています。

これは、靖国神社公式参拝問題とは全く意味が違います。

日本という国のルーツを知らずに皇室を語るのは難しいのです。

つまり、大嘗祭は国民のためを主旨として行われる儀式で、一般の宗教行事とは異なると考えられます。

大嘗祭 秋篠宮殿下のご意見は?

秋篠宮さまがご心配になったのは、大嘗祭の経費の問題です。

「天皇の代替わりに伴う諸行事は国民の理解のもとで執り行われるべきだ」とのお考えで、風岡典之・前宮内庁長官に「公費支出はなじまない」と伝えられ、今の山本信一郎長官にも繰り返し意見を述べてられてきたそうです。

また、「大嘗宮を建てず、宮中にある神嘉殿で執り行っても儀式の心が薄れることはないだろう」ともおっしゃいました。

新嘗祭同様神嘉殿を使い、天皇家の私的な積立金のうち数億円で賄える範囲で実施すべきだというお考えです。

このお考えは、次の皇太子さまのお父上としてご立派なお考えです。

筆者もすばらしいと思います。

ところが、マスコミが曲解した部分があるようです。

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大嘗祭を行う意味は?

先述したように、大嘗祭は天皇と共に国民が再生する、新生の儀式です。

天皇が即位されるという節目に、古くからのしきたりを実践できるというのは、日本のアイデンティティを確認する機会かもしれません。

例えばヨーロッパ諸国の王室は、さまざまなお祝い事にそれぞれのしきたりで対応しています。

日本は日本の伝統を、少し形を変えながらとはいえ残していくほうがいいのではないでしょうか。

筆者は右翼でも左翼でもありません。

しかし、今上陛下のさまざまなご努力にはほんとうに頭が下がります。

昭和天皇が戦争を悼むお歌(和歌)を残していらっしゃったことが、2019年1月1日の朝日新聞に掲載されていました。

國民の祝ひをうけてうれしきもふりかへりみればはづかしきかな

皇室と国民の関係は、今はとても良いと思います。

象徴として十分働いてくださっているのではないでしょうか。

大嘗祭の新米「亀卜」で決定!

2019年5月13日、大嘗祭で神にささげられる新米の献上地が決まりました。

その方法は、なんと「亀卜(きぼく)」!

11月の大嘗祭で使う新穀(新米)を作る「斎田(さいでん)」の都道府県を決める「斎田点定(てんてい)の儀」が皇居・宮中三殿の神殿と神殿前庭で行われました。

亀の甲羅を使った古代からの占いです。

卑弥呼もこの占いで民をまとめていたと伝えられます。

東日本の「悠紀(ゆき)地方」から栃木県、西日本の「主基(すき)地方」から京都府。

悠紀斎田は栃木県、主基祭殿は京都府に置かれることになったわけです。

こういう亀の甲羅で占われます。

出典:https://www.yomiuri.co.jp/

午前10時から神殿の前庭に設けられ「斎舎(さいしゃ)」(ただしテント張り)内で掌典長(しょうてんちょう)と掌典(しょうてん)3人が占いました。

掌典とは、皇室において宮中祭祀を担当する役割の人たちのことです。

「火鑽具(ひきりぐ)」(火おこしの器具)でおこした火に、ウワミズザクラの木をくべます。

そこに、将棋の駒のような形に加工したアオウミガメの甲羅を竹箸ではさみ、かざして焼き、できたひびの入り具合で新米の斎田の場所を選ぶのです。

昔は悠紀・主基の場所が決まっていましたが、現在は新潟、長野、静岡の3県を含む東日本の18都道県を「悠紀地方」、それよりも西の29府県を「主基地方」に分類しています。

小笠原村から8頭分の亀甲をなんとか調達したそうです。

都内の業者さんが縦約24センチ、横約15センチ、厚さ約1ミリに加工したもの8枚が用意されました。

約40分で儀式が終わりました。

宮内庁長官応接室で宮内庁幹部らが立ち会って、結果を確認しました。

宮殿・表御座所で待機していた天皇陛下にご報告し、両府県の知事に電話で伝えられたそうです。

宮内庁と今回決まった両府県や、農業団体、農家などが協議して、斎田の具体的な場所を決めます。

「斎田抜穂(ぬきほ)の儀」で新穀(新米)を収穫。

11月14日から15日にかけて、皇居・東御苑で行われる大嘗祭でお供え物になります。

民俗学や文学を勉強している方には、文字でしか知らなかったことがリアルに体感でき、感動モノです。

宗教、というよりは原始宗教ですから、今でいうところの利害の絡んだ宗教とはまったく異なります。

平成の喪中の儀式とは異なり、また、時代も変わったので、露出も多くなり、日本の古代史や民俗学の研究がより進むと思われます。

古代から伝わる儀式を、わかりやすく報道していただけるのは、嬉しいですね。

大嘗宮 一般公開が決定!

大嘗祭の舞台となる「大嘗宮」が、来月21日から18日間、一般公開されることが分かりました。

大嘗祭は、前述のように来月14日から15日にかけて皇居の東御苑で行われます。

現在、大嘗祭の舞台となる「大嘗宮」の建設が進められています。

出典:https://mainichi.jp/

公開の期間は、来月21日から12月8日までの18日間です。

皇居・坂下門から入門できるということです。

平成の即位の際も一般公開が行われ、同じ18日間でおよそ44万人が訪れたそうです。

また詳細が分かりましたら追記します。

2019大嘗祭がいちばん分かる記事! まとめ

  • 大嘗祭は、天皇即位の年にだけ行われる新嘗祭だ。
  • 大嘗祭には、天皇の再生、新生の意味がある。
  • 大嘗祭では国民の新生、繁栄が祈られる。
  • 大嘗祭は民俗学的な伝統に基づく儀礼である。

天皇陛下生前の御退位は、私たちが経験したことのないものです。

秋篠宮殿下がおっしゃるように経費の工夫は良いことだと思います。

儀式としての大嘗祭について、私たちもよく知っておきたいですね。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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コメント

  1. 松山天声 より:

    大嘗祭に関する秋篠宮殿下の発言は理解しがたい。兄君の即位関連儀式に苦言を呈する失礼極まる態度は許容できない。改善が必要ならば皇位が秋篠宮家に移ってから実行すれば済むこと。また、大嘗祭は国民のための儀式、伊勢神宮や先帝お墓の参詣・報告は皇室独自の祭祀ともいえる。国民のために祈る大嘗祭に税金を使うことに反対する人の気が知れない。