低体温症とは?原因と予防、対処法。冬でも要注意です!

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秋雨で急に寒くなった2018年9月8日、福岡県の高校で生徒36名が【低体温症】で救急搬送されたという出来事がありました

「寒い」「歩けない」低体温症に? 高校生36人が搬送

2018年9月8日19時31分  

8日午後0時45分ごろ、県立福岡講倫館高校から「体育大会中に気分が悪いという生徒がいる」と119番通報があった。市消防局によると、1~3年の女子生徒35人と男子生徒1人が救急搬送された。低体温症や過呼吸の疑いがあるが、いずれも症状は軽いという。 

同校によると、午前8時40分にグラウンドで体育大会を開始。午前9時50分ごろから雨が降り、正午過ぎに生徒らが「寒い」「歩けない」などと訴え始め、保健室など室内に相次いで運ばれたという。生徒たちの席に屋根はなく、ダンスでは生徒たちがぬれたグラウンドに横たわる演技もあったという。 

福岡管区気象台によると、この日正午の福岡市内の気温は21・9度だった。


出典:朝日新聞デジタル

高校の体育大会でも、あるいは夏なのに【低体温症】にかかるんだ、と驚かれた方もいらっしゃるようです。【低体温症】というと、登山での自己とか子どもの虐待とかのニュースで目にすることがあります。また、小さい子どもやご年配の方がかかりやすいと思われるかもしれません。

この【低体温症】について情報を整理してみたいと思います。

目次

  1. 【低体温症】とは
  2. 【低体温症】の症状
  3. 【低体温症】になってしまったら
  4. 【低体温症】にならないために
  5. まとめ

1.【低体温症】とは

平凡社『百科事典マイペディア』によると、身体から失われる熱量が、体内で作られる熱量や外部からの熱を上回り、中心体温(体内の内臓の温度)が35度以下になる症状だそうです。内蔵が冷えて、平常通りの働きができなくなるわけです。

海や山、川での遭難時に多く、危険な症状です。

東日本大震災で被災地に取り残された人々に多く発症したように、災害時寒冷地や寒い時期の大規模には、特に注意が必要です。

打ち水をすると涼しくなるように、水は温められると水蒸気になろうとして「気化熱」を発します。濡れた衣服で長時間いると体が冷えるのは「気化熱」によるもので、今回の高校生も雨に濡れたまま運動し汗をかき、濡れた状態でいたために【低体温症】を起こしたと思われます。

2.【低体温症】の症状

以前NHK「おはよう日本」で放送された内容によると、次のような症状がでるそうです。

初期症状
▼皮膚が蒼白になる
▼身体が震える
▼よろめく

症状の段階
36度:寒気がする
35度:手の細かい動きができない。皮膚がまひした感覚。「震え」が始まる。
34度:歩行が遅く、よろめくようになる。会話に意味不明の言葉が交じる。
32-34度:真っ直ぐにあるけず、転ぶ。意識が薄れる。
30-32度:立ち上がれない。意識を失う。筋肉が硬くなる。
28-30度:脈が弱くなり、瞳孔が大きくなる。呼吸数が半減。
26-28度:昏睡状態。心臓が停止することが多い。

福岡の高校生の場合、「寒い」「歩けない」といった症状を訴えていますから、体温は34度くらいまで下がってしまったようですね。

9月3日から4日の福岡市の天気、最高気温/最低気温は気象庁福岡気象台によると、下のようになります。

3日晴れ 35/24   4日晴れ 33/26

5日晴れ 32/25   6日曇り 30/2

          7日雨  30/25


これに対し、8日の最高気温は24度、最低気温は23度ですから、一気に寒くなりました。その上雨に濡れた状態で行事に参加していたのですから、【低体温症】を発症してもおかしくないわけです。

2018年5月11日には、新橋駅前で女子高生が次々に倒れ、ニュースになったことがありました。この時の原因は、精神的な不安や極度の緊張状態などが原因で過呼吸の状態になる【過換気症候群】とみられています。(日本経済新聞による。)

【過換気症候群】は女性に多くみられ、複数の女性に伝染するように同時発生することがあるといわれます。福岡の高校の場合も36人中35人が女子高生ですから、【低体温症】の症状が自覚された不安や緊張から【過換気症候群】、いわゆる【過呼吸】を起こすのも無理のないことといえそうです。

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3.【低体温症】になってしまったら

【低体温症】が恐ろしいのは、徐々に進行するのではなくて、いっきに思考力、判断力が低下し、本人が自覚しにくいことだそうです。「寒いな」「鳥肌が立って震えそう」のような自覚症状があったら、直ちに対策をとることが必要です。

濡れているのなら、室内に入り体を拭いて着替えること。蒸しタオルや湯たんぽのようなものがあれば、利用するとよいようです。熱があるときに脇の下やそけい部を冷やすのと逆に、脇の下やそけい部を温めると良いそうです。暖かい飲み物があれば少しずつ摂取してください。

また、登山や川、海の場合、避難できる場所があれば早めに移動すること、危険を感じたらすぐに助けを求めるなど、早い対応が望まれます。

糖尿病などの内科疾患がある方は、室内で【低体温症】になる事例が多いそうなので、ご自分で、あるいはご家族の方が注意を払い、異変に気づいてあげる必要がありそうです。

ことに、2で提示した「よろめく」「歩けない」等の症状が出たら早めに対処しなくてはいけませんから、よく知っておきたいですね。さらに症状が進んだ場合、温めたりマッサージをしたりすると逆にショック症状を起こしてしまうそうです。その場合は静かに救援を待ってください。

4.【低体温症】にならないために

①十分に保温すること

災害で避難しなければならないときは、衣類を重ねたり毛布にくるまったりして、体温が逃げないようにすることが大切です。

福岡の高校のような事例はまれだと思いますが、スポーツ等屋外の行事の時には汗ふきのタオルや着替えを十分に用意しましょう。また、登山など危険を伴うアクティビティには必ずなれた人と一緒に行動し、無理のない計画を立てたいものです。

また、高齢者の方は、冬など屋内でも低体温症を起こすことがありますので、靴下や帽子など防寒アイテムを着用することも考えてください。

②濡れたままで過ごさないこと

雨や汗で身体が濡れたらよく拭き、着替えるようにしましょう。この頃のゲリラ豪雨の頻発を考えると、職場や学校に予備のタオルや着替えを置いてもいいくらいですね。

③風に当たらないこと

雨や汗で身体が濡れたまま冷たい風に当たると体温が奪われるます。室外であれば風を避けられる場所に移動しましょう。

子どもの頃、風呂上がりに「よく拭かないと風邪を引くよ」と言われませんでしたか?これは大切な教えだったんですね。

ご高齢の方は、扇風機やクーラーの風向きや強さにも注意してください。

④暖かい食べ物や水分を摂ること

体温を上げるためには、温かい食事や飲み物を摂ることも大切です。食事は身体の熱エネルギーのもとになります。水分も大切です。ただし、脱水予防のために、カフェイン(コーヒー・緑茶など)やアルコールは避けましょう。アルコールは血管を拡張するため、より多くの熱を放出してしまいます。

5.まとめ

現代人は冷暖房が整った環境で生活しているため、体温調節が苦手になっているそうです。また、30歳前後までの、特に女性に【低体温】(もともと平熱が35度台)の方が多く、【低体温症】を起こしやすいだけでなく、さまざまな病気の原因になると言われています。

行事や登山などのイベントは主催の方々が十分に配慮すると同時に、参加者も準備し、危機意識をしっかり持ちたいものです。年齢に関係なく、誰にでも【低体温症】が起こりうること、そして死に至る重大な結果に結びついてしまうことを知っておきたいですね。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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